私はこれまで「トレーニングの方法より、トレーニングに対する考え方を身につけることが大切」と主張してきました。
しかし、トレーニングに関する情報の多くは「方法論」が中心であるのが現状です。
インターネット上では〇〇の研究で△△という結果が出たので、□□なトレーニングがおすすめ!といったものや、大胸筋を大きくするためのおすすめプログラム!といった情報が人気です。
知識のないトレーニング初心者からすれば、そういった「答え」のようなものを与えてくる情報はありがたいものに感じますし、情報の発信者からしてもウケが良いのでしょう。
しかし、その情報がそもそも間違っていたらどうでしょうか?
正しい情報だったとしても本当にその人の目的にあったものでしょうか?
これらの答えを出すためには「考える」ことが重要であり、そのためには「考え方」を学ぶ必要があります。
しかし、インターネット上でも、書店に並ぶ関連書でも「トレーニングの考え方」について学べるものはほとんどありませんでした。(少なくとも私の中では)
そんな中、私が愛読しているブログ「S&Cつれづれ」の筆者である河森直紀さんが執筆された「競技力向上のためのウエイトトレーニングの考え方」は、私が知る限り「トレーニングの考え方」について、最も詳しく、わかりやすく解説されている本であるとおすすめできます。

私がこの本をおすすめする理由について書いていきます。
いくつかの理由は「この本を読むことで得られる効果」に置き換えることができます。
筆者は河森直紀さんという方で、現在はフリーランスのS&Cコーチとして活動されており、博士号を取得されています。
私が筆者を信頼する理由は有名なS&Cコーチだからとか、博士号を持っているといった肩書なんかよりも「ブログを通じて、自分の考え方を発信しており、その考え方に共感できた」からです。
記事冒頭でも触れましたが、河森直紀さんは「S&Cつれづれ」というブログを運営しており、そこで自らのトレーニングに対する考え方を発信しています。
私自身、このブログを長年、読み続けていますが、ブログで主張されている考え方が論理的でわかりやすいことに加えて、一貫性があってブレていないところに惹かれて、このブログの運営者が出す本なら間違いないでしょ!と購入を決めました。
このあたりについては、私の過去記事でも触れているので読んでいただければと思います。

この本の内容は、ブログをしっかりと読み込んでいれば、すでにわかっていることも多いかもしれません。
そう言うと「わざわざお金を出して本を買わなくても無料のブログを読んだらいいじゃないか!」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
ブログで発信されている情報が、より深く、体系的にまとまっており、この本だけで、トレーニングに対する考え方を深めることができるので、非常にお得な投資だと断言できます。
むしろ、有料の書籍だからと、ブログで主張してきた考え方と大幅に違いがあったら、一貫性がないんじゃないか?と信用できなくなっていたでしょう。
余談ですが、とても好きなブログですが、どうやって見つけたのかを未だに思い出せません…当時はTwitterによる情報の発信もなく、ひっそりと更新してましたし、Google検索で上位表示されているわけでもありませんでした。
人通りの少ない通りで、看板も出さずに営業している…知る人ぞ知る名店を俺は見つけたぞ!近い将来この店は流行る!という気分になったことは覚えています。
参考 S&Cつれづれインターネットを中心に、多くのトレーニング情報が溢れています。
誰でも気軽に発信できるようになり、便利な反面、トンデモな情報が当たり前のように発信され、トレーニング愛好家がいいね!やリツイートをして拡散される光景を多く目にします。
残念なことに、トンデモな情報に限って、ウケが良い(楽に効果が出るなど)ことが多く、拡散されやすので、SNS上で多くの人に目に付きやすく、トレーニング初心者にとっては、情報の真偽を見分けるのが難しいかもしれません。
そんなときにトレーニングに対する基本的な考え方が見についていれば、こういったトンデモな情報を見分けることができるようになります。
この本を読んだからといって、100点のトレーニング方法にありつけるかと言ったら、そうはいかないでしょう。
それでも、明らかに間違っている情報を見分けられるようになれば、自ずと効果的なトレーニングに近づける可能性は高くなります。
間違ったトレーニングを続ければ、効果が上がらないばかりか、怪我につながることだってあります。
大切な身体と時間を守るためにも、この本を通じてトレーニングに対する考え方の重要性を理解していただければと思います。
多くのハウツー本で解説されている方法論は、ある目的に対しては有効な方法であっても、目的が変われば効果的でないことは多いです。
例えば、ボディメイク関連の書籍で紹介されている方法は、スポーツの競技力向上という目的に対しては効果的ではありません。
それに対して、この本の中心となっている「トレーニングに対する考え方」は、どのような目的に対しても普遍的なものであり、その価値が落ちることはありません。
書籍のタイトルは「競技力向上のための」とありますが、個人的には多くのトレーニング愛好家に読んでほしい一冊となっています。
今回は「競技力向上のためのウエイトトレーニングの考え方」を紹介させていただきました。
インターネット上にあふれるトレーニング情報の海を、何も持たずに渡ろうとするのは目的地にたどり着くまで時間がかかるばかりか、大変危険です。
この本をしっかりと読み込めば、トレーニング情報の海で遭難するリスクは下がり、目的地にたどり着く可能性を大きく高めることができます。
本当に心からおすすめできるトレーニング関連書なので是非!!